ワーカー絶賛! 輻射空調快適、健康&省エネを実践
◆発行:株式会社白揚社
◆「オフィスビルディング研究所」編著
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目次
- 巻頭言 「日本の皆さんへ」ビアネ•オルセン
(デンマーク工科大学教授) - 序章 ワーカーは空調に満足していない
- 「輻射」空調ってどんなもの?
- 輻射空調をめぐる世界の動き
- ドイツでは輻射空調がスタンダード
- グリーンビル認証をめぐる動きと輻射空調
- 輻射空調の普及を後押しするスイスの建設規定
- 世界を驚愕させたインドの実証実験
/従来空調VS輻射空調
- 日本の輻射空調の歩みと推進した人々
- 輻射空調の導入実例レポート
- ・井戸水を活用した「電算新本社(長野)」
- ・実験オフィス「エコッツェリア(新丸ビル)」
- ・レトロフィット「大手町ビル」
- ・初のテナントビル導入「茅場町グリーンビルディング」
- ・ゆらぎの集中空間「日本大学法学部図書館」
- ・透析治療に効果「かもめ•みなとみらいクリニック(横浜)」
- ここが知りたい! Q&A
本書のきっかけは「輻射空調」を体感して仰天したことだ。
仕事柄、多くの企業に取材にうかがう。1時間もすると冷房が利きすぎて寒くなる(電力危機以降は節電で逆バージョンが多くなったが)。
ところがあるとき、3時間経っても全く空調が気にならない空間に遭遇した。不思議に思って上をみたが、空調の吹出し口がない。後から取材時の電子レコーダを再生したら鮮明で驚いた。ふつうは雑音が混じるものだが、それもない。非常に静寂な空間だったのだ。
「こんな空調方式があったのか」という驚きのあとから、「どうして快適なのか」、「どんな仕組みになっているのか」、「なぜ、こんな心地いい空調が広まっていないのだろう」、次々に疑問が沸いてきた。
だが、まさか自分が本を書くとは思っていなかった。専門書は専門家が書くべきもの。設備にも疎く、理工系の頭脳もない私より、適任者はたくさんいる。その点は全くそのとおりで、筆者の知識不足や取材範囲の限界から内容に偏りや物足りない部分は多々あると思う。
しかし、あるとき、考えが変わった。
「まてよ、私と同じように輻射空調をよく知らない方がまだ多い状況なのだ。それならば、私が代わりに輻射空調を導入した施設をまわり、ワーカーの生の声を聞き、専門家に素人の素朴な疑問をぶつけてみよう」と。
「叩けよ、さらば開かれん」は本当だった。取材を重ねる間に「こんな資料もあるよ」「あの人に逢ってみたら?」「今、インドで実証実験の結果が出ているよ」等々、多くの方々から貴重な情報をいただき、専門家の方々は快くイロハのイから教えてくださった。
そうやって本書ができた。だから本当の筆者は私ではなく、取材に応じてくれたたくさんの方々である。
本書がよりよいオフィス環境を求める方々に役立つことを願って。
不動産ジャーナリスト 太田三津子
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