富岡畦草記録の目シリーズ変貌する都市の記録定点撮影親子三代継承記念出版
◆本体価格:2,500円+税 ◆発行:株式会社白揚社 2017年8月
◆富岡畦草・富岡三智子・鵜澤碧美 著 ◆株式会社ビルディング研究所・有限会社玄同社 企画
まえがき
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昭和二十年八月十五日、第二次世界大戦決着。二十五日、私は所属していた谷田部海軍航空隊解散復員に伴い常磐線土浦駅から超満員列車に乗って東京駅へと向かいました。このとき東京駅へ近付くにつれ、街は無残な被害状況で、痛恨の極まり、多くの犠牲戦友への弔いも合わせ、この真実を歴史に残す必要性を痛感しました。
戦後直後は、兄の勧めで名古屋駅正面大時計上階の運輸省東海海運局に勤務し、間もなく仕事上お目にかかった海上保安新聞社長高橋様と意気投合、朝日新聞東京本社重鎮{轡田/くつわだ【ルビ】}様のご紹介で上京就職の幸運に恵まれます。新聞記者としてカメラ片手に取材する際、品川駅、上野駅の地下道で餓死する同胞を目にするほど辛い思いはありませんでした。
そうこうするうちに、昭和二十四年、人事院報道局カメラマンとして採用された私は、私案の定点記録写真を用いて全支局共同で国の復興状況記録を残すよう提案しましたが、残念ながら無用との見解でした。しかし、折良く心強い理解者に巡り会う幸運が訪れます。昭和二十七年、法制局長官新憲法作成お骨折りの佐藤達夫先生が、人事院総裁として赴任されました。ご挨拶時、事情を申し上げたところ、大変な思し召しで、公私共々努力するようにと無上の励ましを頂戴しました。
亡き妻の支えもあって継続することができた定点記録写真は、今日、映像出版物で格段のご贔屓を戴き、感謝に堪えません。定点撮影を始めてもうすぐ七十年を迎えようとしています。無念のうちに先に逝った同胞たちに代わって私が残した記録写真を、子や孫がこれから先も末永く守り、未来へ伝えてくれることを望みます。
- 平成二十九年七月
富岡畦草 謹言
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新刊
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